いろんな映画館が各地にあり、それぞれ特色のある設備が導入されています。
昔はどこそこの映画館がdtsだ!とか珍しいスピーカーの入った○番シアターだ!とかで済んでいたのが山のような横文字や○○上映というワードで選ぶ方も大変だなーと思います。
特に映画館初心者の人には何を選んだらいいか、そもそも何の事なのか分からないと思います。
この記事では初心者向けにざっくりとした解説をしていきたいと思います。まずは音声編から。
DOLBYについて
いちばん目にするのにある意味一番ざっくり説明するのが難しいのがこのDOLBY。
ドルビーと呼びます。基本的にDOLBYってなんだ?と言われたら映画館では音の記録方式、というのが一般的でしたが今はドルビーでもいろいろあります。
○DOLBY DIGITAL(ドルビーデジタル)
フィルム時代の5.1chサラウンドの代名詞。今はBD、DVD等の音声記録方式としてが一般的。
○DOLBY SURROUND 7.1(ドルビーサラウンド7.1)
5.1chより2ch分後ろのチャンネルが独立し、より音の表現が向上したもの。
○DOLBY ATMOS(ドルビーアトモス)
天井にもスピーカーが設置され、より音の自由自在な音の表現が可能になったもの。
○DOLBY VISON(ドルビービジョン)
映画館では難しい深い黒と鮮やかな色を表現する映写方式。
○DOLBY CINEMA(ドルビーシネマ)
ドルビーアトモスとドルビービジョンを使用してデザインもこだわったシアター自体の事。
ハイスペックなシアターって認識でいればいいと思います。
※音声・映像共に作品が対応していないと真価が発揮されません。
下記記事で、もう少し詳細に解説していますので、ぜひご覧ください。
dtsについて
dts(ディーティーエス)もドルビーと同じく音声記録方式になります。
フィルム時代にはドルビーよりも高品質と言われていましたが、自分は明確に違いを判断することは出来ませんでした。
○dts
フィルム時代の5.1ch記録方式。 今はBD、DVD等の音声記録方式としてが一般的。
○dtsES
5.1chより1ch分後ろのチャンネルが独立し、より音の表現が向上したもの。
○dtsX
左右側壁の上方にスピーカーが設置され、より自由自在な表現が可能になったもの。
※ドルビーアトモスとdtsXの再生環境、互換などはあまり気にしないでいいと思います。どちらもイマーシブサウンドと呼ばれるもので3次元的な音を表現します。
SDDSについて
SDDS(エスディーディーエス)はソニー独自の音声記録方式でフィルム時代極々一部のシアターのみが対応していた物です。
フィルムのみの方式で今は映画館にも民生品にもありません。
○SDDS
ソニー独自の5.1ch。SDDS上映と思われる上映を1度だけ聞いたことがありましたが、ドルビーとの差異はよく分かりませんでした。
○SDDS 8CHANNELS
SDDSの5.1を6と数え、スクリーン裏に2本スピーカーを追加したもの。特大劇場を向けの方式。
AUROについて
BARCOが出している音声システム。
設備があっても国内では上映できる対応作品がほとんどない。
対応館は疑似的にサラウンドを拡張するアップミックスがほとんどになっています。
○AURO 11.1
ステージとサラウンドスピーカーが2段になり天井にもスピーカーを設置。高さ方向の音を表現する。
○AURO MAX
AURO 11.1の進化版。初心者向けには説明しにくいですが高さに加えてエリア毎の表現が可能になったものです。
imm soundについて
imm sound社が出した次世代音響。現在はドルビーに吸収されてしまってもうありません。
初導入のシネマサンシャイン平和島からも表記が消えていてアップミックス機能が残っているかどうかという感じです。
○imm sound(14.1ch~23.1ch)
天井や側面、スクリーン裏にスピーカーが追加され、自由自在な音の表現が可能になったもの。 日本はシネマサンシャイン平和島のインポッシブル・14.1chが最初で最後の対応作品になってしまいました。
現行の一般的な映画館で使用されている音声は?
映画の音と言えばドルビーの5.1ch・ドルビーサラウンドなんだと思っている人が今もいますが実は違います。
○PCM(ピーシーエム)
非圧縮音声。フィルム時代の音がMP3だったとしたら今はWAVという感じです。音はかなりのデータ容量が必要になるので昔は圧縮して容量を軽くしていた(ドルビーデジタルも圧縮音声記録方式)のが今は技術の進化で圧縮をせず、制作スタジオでの音をそのまま映画館で鳴らすことが可能になっています。
まとめ
基本的に今の映画館の音声はこのPCMです。TOHOシネマズの音響についての項目にある
「全てデジタル上映になるため音声は非圧縮のデータとして記録されており、従来のフィルムで再生する音響規格には当てはまりません。そのため、現行の音響規格より良い音質でお楽しみいただけます。」
というのはこのことです。
5.1ch以上の音についてはドルビーとdtsを少し意識すれば問題ないと思います。
重要な事としてチャンネル数が変化しても「本質的な音質」に差はありません。
どの映画館でも音はスタジオクオリティの素材でいい音であると言えます。
機材を含んだ音の良し悪しはまた別ですがこちらはまたの機会に。
今回は映画館の音声について紹介してきましたが、過去記事では「映画館(シアター)の構造・雑学」を紹介していますので興味あればご覧ください。
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