前回はワーナーマイカルシネマズ時代との比較、振り返り記事を書きました。
今回はいよいよ各スクリーンについての記事を書いていきますが、特にTHX認証のスクリーン7でイオンシネマ海老名を知った人の中にはスクリーン7にしか入ったことがないという人もいるのではないでしょうか。確かにスクリーン7は特に力の入ったスクリーンですが、日本初シネコンのこだわりはスクリーン7だけではないのです。
1番から6番までの特徴的・個性的なスクリーンについて紹介をしていきます。
ゲート左側に背中合わせに並ぶ姉妹シアター~

まずはスクリーン1とスクリーン2。ゲートを通り、左側のくぼみに入った所に並ぶ小さなシアターです。

スクリーン1




段床によりしっかりと傾斜がついた客席達。規模の小さいスクリーンでも抜かりありません。
天井高が低い為サラウンドスピーカーがとても大きく見えます。
スクリーン2




一見まったく同じに見えるスクリーンです。が、よく見ると微妙に違いがあります。
まず非常口スクリーン1が左、スクリーン2が右側です。コリドー側に非常口がある形です。


並べてみると分かりやすいかもしれません。よく見るとオレンジの縦のラインがスクリーン2は最前列が非常扉位置の関係かついていません。同じく扉の位置関係からか車いす席の1席分でスクリーン1が146席、スクリーン2が145席になっています。
他大きな違いはスクリーン左右上部の通気口の形状とスクリーン1右後方の出っ張りになります。




特に最後の写真ですが、天井がとても低く最後列付近は立っていると頭とサラウンドスピーカーが同じくらいになりそうなくらいです。一つ前のサラウンドスピーカーと同じ高さですが、そちらも結構な低さになっています。
空調や角の形状の違いは柱や配管など建築的要素が絡んでいるかと思われます。
また、他スクリーンでも後述しますがイオンシネマ海老名は全スクリーン天井が他に見ない構造になっています。


スクリーン1・2は平行な天井で左右が斜めに角度のついたハの字構造になっています。空調の吹き出し口も斜めになっていて施工時はかなり大変だったのではないかと思います。この天井の造りは音響的な面を考慮しているのかとも思いましたが、よく見ると映写窓がぴったりの位置になっているので天井高ありきで映写窓の高さ確保でこのようになったのかも知れません。映写窓も中央より右寄りになっていますがこれも柱などの影響かと思われます。よく見ると枠ギリギリの部分まで中央に寄せようとしているのが分かります。また後壁にサラウンドスピーカーも設置されていません。アナログサラウンドもまだまだ全盛だった頃の映画館だからでしょうか・・・
この2つのスクリーンはスクリーンが小さく、天井も低めでイオンシネマ海老名の中でも小さな容積になっています。ミニシアター的な雰囲気でシリアスなドラマをじっくり見るにはよかったです。迫力のアクションには少々物足りないかもしれませんが、小さいからこそスピーカーの音はストレートに伝わります。このスクリーン特有の問題、と言っては何ですが、サラウンドスピーカー位置が相当に低いことからスピーカーに対し真横席だともろに音が真横から聞こえてしまい、フロントに対してバランスが微妙に感じる場合がありました。見る時はスクリーンも小さめなのでやや前よりでサラウンドスピーカーを真横から外れるようにしていました。
最奥に隠れた2番目のキャパシティを持つスクリーン

コリドーを真っ直ぐ直進すると、、、

スクリーン3への案内が。他の興行の映画館にもよくある話ですが、ワーナー、イオンシネマの各劇場呼称はスクリーンが定番ですが、ゲートや独立劇場の案内はシネマ表記になっています。「CINEMA3」の案内に沿って左に進むと・・・

「SCREEN3」がありました。キャパが大きいスクリーンなので両開き扉が2つ設置されています。


最奥に隠れたスクリーン3ですが、入口上部はロビーのように天井が鏡になっており圧迫感を軽減しています。
スクリーン7に続く358席を誇るスクリーンです。
スクリーン3




ずらりと並んだ客席が壮観です。これだけのキャパがあってもやはり後壁にはサラウンドスピーカーがありません。スクリーン3から6は天井がスクリーンから映写室側に傾斜が付いています。これも音響的な面やスクリーンを大きくする方法かと考えましたが建築要素が大きい様に思います。空調も傾斜に合わせ斜めになっているのが分かります。前から後ろまで傾斜が付いた天井もそうですが施工時は大変だったと思います・・・
また前方5列分は段床になっておらず緩やかな傾斜のついたスロープ床になっているのが分かります。座席数を確保しつつどうにか頭被りを回避しようとした結果でしょう。

後方客席の1枚。後方に向けて天井に傾斜があるのが分かります。358席のキャパがありながら最後列の床から天井の高さはスクリーン1・2といい勝負です。サラウンドスピーカーも前のスピーカーより天井の傾斜の影響で高さが低くなってしまっています。
この映写室脇の座席は天井の圧迫感、スクリーンが見づらく距離もある、階段の壁が視覚に入る、音響的にも悪いなどなどなかなか上級者な座席になっています。後半は販売されない席になってしまいましたが、隔離された席という点では好んで購入したお客もいたかもしれません。

スクリーン3で目を引くのがこの映写窓前の天井です。傾斜した天井部をさらに逆方向に傾斜をつけています。これは一部をくりぬかないと天井が邪魔で投影が出来ないのをどうにかした結果かと思われます。中央ではなく写真左側の窓から投影しているのが見えますが、このくぼみがなければ完全に天井の中に隠れる位置になっているのが分かります。
イオンシネマ海老名の中ではスクリーン7と同じくスコープのスクリーンです。規模が大きいだけあり音の迫力もありつつ適度な柔らかさもありました。スクリーンがやや遠い為画の迫力はもう少しでしたが、中央付近列からだと見具合の程よいスクリーンでした。建設当時はかなり苦労もあったんじゃないだろうかと思わせる、地下劇場のような雰囲気のスクリーンです。
最も少ない座席数ながら高いクオリティの優等生シアター

「CINEMA3」の看板の手前、コリドーを真っ直ぐ進んだ奥右側にスクリーン4があります。

最小キャパながらスクリーン1・2より立派な入口になっています。
スクリーン4




スクリーン1・2と横幅は同じでありながら131席と座席数の少ないスクリーン4の方が遥かに開放的で大きな空間に感じるのは天井の高さの違いです。後壁のサラウンドが設置されていないのが見えますが、今のシネコンの小箱とほぼ同じ形です。

スクリーンは実際に1・2より大きいサイズになっています。イオンシネマ海老名はスクリーンカーテンの外側に黒い枠がありますが、スクリーン4はこの部分があるのかないのかの微妙な幅でスクリーンがほぼ横いっぱいになっているのが分かります。また既に各スクリーン稼働していない緞帳ですが、スクリーン4のみ上下稼働となっているのが分かります。動いている所を見てみたかったですね。


後方に向けた傾斜があるものの天井の高さがある事でサラウンドスピーカーや映写窓の周辺はスクリーン1・2・3とは比較にならない程余裕があります。
開放的な天井のおかげでサラウンドの鳴りも自然、全体としてもストレートで聞きやすい音です。特に映写の良さが評価されているスクリーンで、ほぼ上下中央にあるスクリーン位置に対し傾斜した天井分を加味しても映写枠下方に設置された映写機により完全ではないですが水平に近い映写になっています。オフセンターにはなっているものの無理のない映写角は隅から隅までピントがカチッと合ったイオンシネマ海老名の中で最も優れた映写でした。左右壁が近いものの光の反射はそれほどない事、上下の空間が広く、特に天井反射の影響がない事でシルバースクリーンながら色味も良いと評価されるイオンシネマ海老名の隠れた名スクリーンとなっています。
イオンシネマ海老名の代表とも言える2つの中箱

最後がコリドー右側に並ぶ2つ、スクリーン5とスクリーン6になります。この2つのスクリーンは規模が微妙に違いますがスクリーン1・2と同じく姉妹スクリーン的な箱となっています。


入口もそっくりな姉妹スクリーンになっています。
まずは続けて2つのスクリーンを比較してみましょう。
スクリーン5




スクリーン6




とてもよく似たスクリーンです。スクリーン周りの雰囲気や傾斜した天井、両側入口など個人的にミニマム7番のような印象があります。座席数はスクリーン5が209席、スクリーン6が199席で10席差となっています。スクリーン1・2とは違い座席配置やスピーカーの設置など微妙ながら違いがあります。
スクリーン5と6は後壁映写室部分にサラウンドスピーカーが配置されているのも特徴です。スクリーン5はフィルム時代にドルビーデジタルEXにも対応していたとの事。映画館としても力を入れていたスクリーンである事が分かります。またスクリーン4と同じく水平に近い状態で投影されています。
スクリーン5はイオンシネマ海老名の中で唯一センターに座席があるのでスクリーンと正対できるのが大きな強みです。中規模シアターらしくスクリーンの体感的な大きさと音の迫力が感じられる人気のスクリーンでした。6つのスクリーンの中で最もアクション系の映画がハマるスクリーンかもしれません。
スクリーン6はやや小ぶりになりますが、映写機がセンターにある事で歪みの少ないきれいな映写とスクリーン5よりもまとまった音場、音像の定位感がとてもよかったです。スクリーン5は規模的に最後列のサラウンドスピーカーが1段下がってしまいますが、スクリーン6はきれいなレイヤーになっているのもポイントです。

映写にこだわる人はスクリーン4、音と映像の迫力を求める人はスクリーン5という印象ですが音と映像のバランスのよさ、劇場の雰囲気で個人的にはスクリーン1から6の中で最も好きなスクリーンです。
数々の映画を上映してきた個性あるスクリーン達
日本初シネコン・THX認定劇場でスクリーン7に注目が集まる中で実はこんなにも面白いスクリーンがあった事がわかります。当然技術が発達した今であればより優れたスクリーンがありますが、イオンシネマ海老名の1から6のスクリーンを見た時、33年前からこれほど形が確立されたものだったかと驚きます。中には33年前に出来たこれらのスクリーンに敵わない場所もあるでしょう。これらのスクリーンや他にも小ネタがありますが、次の記事以降にまとめて書いていこうと思います。
次はイオンシネマ海老名の看板、THX認定劇場・スクリーン7について書いていきます。



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