閉館 MOVIX三郷 後編~MOVIX三郷を舞台としたドラマ・お気に入りだったシアター・11月30日最終上映~

映画館紹介
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1つの記事にまとめるつもりが書きたいことを書いているうちに3部構成になってしまいました・・・。今の時代こんなにも長い文章は時代に合っていないとは分かりつつもズラズラと書いてしまっています。要約した短い記事も書いたのでざっくり見たい方はそちらをご覧ください。

SMTホームページ

松竹マルチプレックスシアターズ - 映画館・シネコン
ピカデリー・MOVIX・東劇は松竹マルチプレックスシアターズが運営する映画館です。上映・公開予定作品の紹介や劇場の上映スケジュールだけでなく、映画のお得なキャンペーンやイベント情報、チケット購入方法など、知りたい情報が満載です!

前編

閉館 MOVIX三郷 前編~MOVIX三郷を振り返る~
閉館となったMOVIX三郷がどのような映画館であったのかを振り返ります。

中編

閉館 MOVIX三郷 中編~MOVIX三郷の過去と比較・閉館の理由を考える~
閉館となったMOVIX三郷の過去の姿はどういったものだったかを比較し、閉館となった要因は何があったたのかについて考察していきます。

要約記事

要約版・閉館 MOVIX三郷
MOVIX三郷の閉館記事3つを大幅に要約したものとなります。
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どこかで見たことがあるシネコン!?シネコンへ行こう!

シネマインみらいという映画館をご存じでしょうか?12のシアター、メイン館518席の規模でありながらも来客数が少なく、同系列の中でも売り上げが少ない、緩やかな雰囲気のシネコンです。
どこかで聞いた気がする映画館ですが、まさしくMOVIX三郷を舞台に制作された2022年7月公開のドラマ・シネコンへ行こう!という作品です。

松竹 シネコンへ行こう! 

シネコンへ行こう!
松竹株式会社の公式サイトです。当社配給の映画作品やアニメ・特撮の劇場作品、OVAおよびテレビ作品の情報をご紹介しています。

どこかで見覚えのあるコンセとストアとチケットカウンターが並んだロビー。外の看板やストア、シアター入口のMOVIXのロゴがCINEMINEに変更されているのですが、所々どうしようもなかったであろう場所があり、チケット発券機のモニターに映るSMTメンバーの案内やコリドール床のMOVIXのロゴ、待合スペースの壁面のMOVIXはそのまま映っています。

そうでなくてもポップコーン容器やシアター壁面の三角柱などMOVIX感が満載で行った事がある人ならばより楽しんで見れるかと思います。内容はコメディでありえない内容や脚色も多々ありますが映写室や事務所の様子など貴重な映像も数多くあるので是非ご覧ください。自分はアマゾンプライムで視聴しました。

ドラマの中で閉館が危ぶまれる映画館として描かれましたが、まさか本当に閉館になってしまうとは公開時は思いもよらなかったでしょう・・・。

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お気に入りのシアター

自分が好きなシアターとどういうところがよかったかを紹介したいと思います。

シアター1

人気のシアターの1つですね。仕事帰りで車でギリギリ間に合うTADのシアターということで重宝しました。JBLに更新後もちらほら来ています。ちょうどいいスクリーンサイズに無理のない座席配置、迫力もありつつ低音も膨らみすぎないいい箱だったと思います。閉館前には赤と緑の滲みが若干ありましたが完全な白にならなければ気が付かない程度のものでした。縦横比や座席配置がに無理がなく、スクリーンも大きくしすぎないと写真でもいいシアターであるというのが何となく伝わりますね。他の劇場から離されているのも利点です。

シアター5

正面奥にあるシアター5。シアター1と同じく独立したシアターです。基本的にはシアター2、3、4と同等ではありますが、同規模で若干座席数が少ないのが若干得した気分になります。MOVIX三郷の小箱全てに言える事ですが、映写に無理がなくて明るく、フォーカスもばっちり合っていて音量もしっかりだしてくれるので洋画のアクションも安心して見れます。高域の伸びや低位の良さも小箱の良さがよく出ています。

シアター6

体感スクリーンサイズはMOVIX三郷の中でも1番のシアター6。シアター1から9まではK列までありますが、シアター6はJ列、座席数とスクリーンサイズ的にもK・Jくらいまであってもいいシアターなので体感値が大きくなるのも納得です。スコープ作品は視界いっぱいに広がる映像が味わえます。並ぶ中箱の中では1番迫力のある音でした。

シアター8

シアター6より4席差でスクリーンの見え方がかなり異なるシアター8ですが、このくらいが適切なサイズ。音もバランス派な印象。シアター8はセンター列が1列なので画面と正対して座りたい人にはありがたいシネスコスクリーンのシアターです。ヒットマン鑑賞時は貸し切りで贅沢気分を味わえました。

シアター9

中箱の中では最もコンパクトなシアター9。シアター6、シアター8の中では最もお気に入りのシアターです。気持ち高めなスクリーンとミニシアターのような雰囲気、MOVIX三郷の最も奥にひっそりとあるのがイイですね。中箱の中では音も小箱よりな印象できっちり作品に没入できるシアターという印象です。シネコンに行こう!では夜中怪人が現れるらしいシアターですが・・・真相は如何に?

シアター11

MOVIX三郷最大シアターです。小箱と中箱が充実した三郷の中では断トツに大きなシアターでセリフや重低音は大劇場ならではのふくらみとスケール感があります。AM6212/95の劇場を包む自然かつ雄大なサラウンドもとてもよかったです。
このシアターはスターウォーズEP9初日、EP8でいろいろとめちゃくちゃになったストーリーが果たしてきれいに完結出来るのか、期待と不安がありながらも安心できるクオリティと大きなシネスコ幕で見たいという気持ちから翌日仕事で早出でも1時間半かけて仕事終わりに直行し、シアター11のいつものクオリティに満足しながらも映画の展開と結末に何とも言えない気分で映画館を後にしたのを今でもはっきり覚えています・・・スターウォーズEP7,8,9は賛否の分かれる内容となりましたがここの特大幕で見た

A long time ago in a galaxy far, far away….

からのSTAR WARSのロゴとオープニングは最高でした。

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閉館の決定と告知

MOVIX三郷の閉館が決定すると屋外入口右のパネルと屋内ロビー入口にしたのパネルが展示されました。閉館に向けてのイベントの案内とリクエスト上映の募集の告知もありました。

その後MOVIX三郷閉館イベントの案内が追加されます。

閉館リクエスト上映とライブ音響上映はシアター1で行われました。ライブ音響上映は日程が合わず見ることが出来ませんでしたがLアコースティック社のラインアレイスピーカーを使用した迫力のあるサウンドが好評だった様です。作品のラインナップは割と新しめの物が多い印象です。

閉館が近づくと19年の感謝のメッセージが。

オープン当初頃と思われるMOVIX三郷の様々な姿が感謝の文字の中に映っています。
閉館告知からリクエスト上映が始まる前辺りはお客の数にそれほど変化がないように見えました。とある作品、封切りから5日目くらいの平日レイトでシアター11が貸し切りとなかなか寂しい状態。映画館入口やロビーに展示された閉館告知の前に立ち止まり文章をじっくり読む方や写真を撮る方、「え~なくなっちゃうの?」とこぼす方がいました。
ただ室井慎次 前後編、シビル・ウォー、ラストマイル、ヴェノム、進撃の巨人はなかなかの客入りで常日頃この客入りであればまだ閉館にはならなかったのでは、と思ってしまいます。

閉館前ということで場内の照明が切れた所が多くみられ、上映前の予告がMOVIXライブ音響上映と正体のみになってしまい、閉館の実感を否応なしに感じます。また忍たま乱太郎のマナー予告が流れますが公開時期にはすでにMOVIX三郷がない事実がとても悲しいです。

11月30日 MOVIX三郷最終上映

最終日は朝から映画をゆっくり見たい所ではありましたが仕事であった為、レイトショーのみの鑑賞となりました。最終日ということでお客が多く来ているようで駐車場がいっぱいでした。

改めて19年間ありがとうのポスターの前に。僅か19年、あと1作品でMOVIX三郷が終わってしまいます。眺めていると「ええ!!今日じゃん!!」と驚く人が。日頃映画館に通う人でもないとなかなか気が付かないものなのかも知れません。

上映時間がばらけていた為かロビーは最終日とは思えない程に閑散としています。

ガチャガチャなどが撤去されて長椅子だけになってしまった待合スペース。

補充のないショップ。がらんとした棚が寂しいですね。

最終日、心行くまで映画と映画館を味わうのに定番のスタンダードコンボを購入。

シアターに向かいます。コリドールのポスターは過去に行った舞台挨拶上映時の物と思われるサイン入りポスターになっていました。

向かうはシアター11・劇場版「進撃の巨人」完結編 THE LAST ATTACK。

客入りは200人程度でしょうか。最終上映なのでもう少し入ってほしかった感はありますがシリーズ物のアニメーション作品なのでやむを得ない所でしょうか。スターウォーズEP9時の時の方が多く入っていました。

進撃の巨人はシアター11で見るのは2回目だったりしますが、ビスタではあるとは言えこの巨大スクリーンに映される地ならしの巨人達や目まぐるしく動く立体起動でのアクションは圧巻でそれに見合う音響がシアター内を満たしています。セリフがやや響く所や重低音の膨らみと残響が大劇場の迫力として映画を彩って映画館で映画を見る醍醐味を感じますね。
エンドクレジット後の映像のエレンのセリフが閉館するMOVIX三郷では少し寂しく聞こえます。

進撃の巨人にこじつけて考えるならば立地やアクセスの問題からMOVIX三郷の閉館はいかなる選択をしても寸分違わず確定した未来だったのかも知れません。生き残った映画館が勝ちというのはお客の選択という事実があるからで今後もサービスや設備による集客をめぐる戦いが繰り返されていく事でしょう。
しかしながら単館系映画館や独立系映画館がシネコンの台頭により数を減らし、デジタル技術の向上によりフィルムは駆逐され、THXから始まり、独自音響が流行した後の衰退を経て再度○○音響上映のような形態が人気に・・・と映画館の衰退と発展の歴史も繰り返されていくのでしょう。

数々の作品を映し出してきたスクリーン。お客がスクリーンを見ている時、スクリーンもお客と向き合い続けてきました。他のお客もスクリーンに近づいたり、写真を撮ったりして別れを惜しんでいました。

シアターを出る時に見上げたAM6212/95。最終上映を鳴らし切り、静かに佇んでいました。

最終上映を堪能してシアターを後にすると入場ゲートで感謝の言葉と共にMOVIX三郷のフィルム風しおりをもらいました。先のリクエスト上映の入場特典でしたが、空席の回も多かったため最後に配布したのかも知れません。ゲートを出るとスタッフが並んで出迎えてくれました。

支配人から最後の挨拶

ロビーにはたくさんの人が最後の挨拶を聞くためにまっていました。進撃の巨人の後はシアター1のライブ音響上映・グレイテスト・ショーマンの応援上映を残すのみです。こちらは見事に完売です。

終わるまでに軽くロビーを歩きます。

終了したチケットカウンターとストア。調整中の案内にひっぽこブラザーズが。色付きではっきり場内で見るのは久しぶりな気がします。

コンセの案内も全て撤去されています。ラストのポップコーンもとてもおいしかったです。

ロビーでも写真を撮る人が多く見られました。徐々に人が増えてきてシアター1のお客が全員退場すると支配人からの挨拶が始まりました。

「19年間、皆様の思い出の最後の1ページに、私も加わる事が出来て大変光栄です。映画館で働く身でありながらこういう事を言うのは不適切かもしれないですけど、映画より最高の景色を今見せて頂いています。
MOVIX、なくなっちゃいますけどここは。映画館最高なんで、皆さん映画見る時、映画館行くとき、MOVIX三郷の事思い出してもらえればと思います。ありがとうございました!」


たくさんの拍手が送られるもまだ何かを話すかもとみんなが支配人をみて少し焦った様子で、

っと~、えぇと、すいません締まらなくてなくて(汗)このヤジを飛ばしてくれている愛すべきスタッフさん、長い事頑張ってくれました!皆さん、ぜひ拍手でお迎えください!」

たくさんの拍手がスタッフに送られる。

皆さん今までありがとうございました!」

たくさんの拍手の後また少し間があり、

「ごめんなさい、これ以上ないので(笑)じゃあ最後は皆さんのお手を拝借して!一本締めで終わらせて頂きたいと思います!よろしいでしょうか?携帯持ってる方はそのままお持ちいただいて大丈夫です。いきますよ!よぉーおっ!(パン!)ありがとうございました!!寒いので、お気をつけてお帰り下さい。ありがとうございました!」

たくさんの温かい拍手でMOVIX三郷は閉館となりました。挨拶の様子から支配人とスタッフ間のとても仲が良く楽しそうな関係性が伝わります。映画館の仕事は裏方が多く、チケットも自動化された今は昔以上に関わる機会が少なくなっていますが、何気なく利用している映画館でもたくさんの人が関わっているのが分かりますね。自分も最後に簡単ではありますが支配人に感謝の言葉を伝えて映画館を後にしました。

見送りのひっぽこブラザーズもこれで見納めです。映画ってたのし~ね。

最後に

映画館好きとしてはこれだけクオリティの高い映画館が閉館してしまう事実がとても悲しいです。設備でお客が呼べる時代ではなくなったというお世話になってる映写さんの言葉が思い出されます。IMAXやドルビーシネマもハイレベルな設備ではありますが、ブランド志向とも言えるものでMOVIX三郷の小箱のような特別な設備がなくともよい映写とよい音が体験出来るというだけでは集客には繋がらないのが現実です。

不景気な世の中、メイン館に注力して他は低コスト化、内装やライティングも簡素化、使用している機材も様々という映画館事情の中、圧倒的な物量をつぎ込んだMOVIX三郷が閉館となる事実が映画館の未来の暗さを暗示しているようにも思えてしまいます。

毎度の事以上に3部構成ととんでもなく多い文量になってしまいましたが、かつてこんな素晴らしい映画館があったという記録として今回の記事を書きました。

映画館は感情が動く場所であり、思い出に残る場所であり、誰かにとっての大切な場所でもあります。MOVIX三郷によい思い出のある方が偶然この記事を読んで、なつかしさを感じてもらえたら幸いです。

MOVIX三郷、充実した素敵な時間をありがとうございました。

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